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 ●平成18年1月号 県職員たった1%給与削減の明るい年の瀬 up
 ●平成18年2月号 県議会で始まった  道州制論議の“夜明け前”
 ●平成18年4月号 県庁労使交渉公開が茶飲み話に終わったお粗末 up

財界にいがた平成18年1月号 up
<< 表題:県職員たった1%給与削減の明るい年の瀬 >>

【 賃金カットは議会対策 】
 前知事時代の賃金カットを、県の職員組合がどうとらえていたのか?
それを物語る資料がある。04年の知事選直前、県職労の大会で配布された資料だ。その中に以上のような記述があった。 〈 前回の賃金カットのように県議会対策のために賃金を削るという発想では困る 〉 知事候補だった多賀秀敏に、県職労の役員が語った部分だ。組合の内部資料だから、つい本音が出たのだろう。実質的なオール与党体制だった前知事時代。本気で職員給与に切り込む気迫は感じられなかった。
 カットされた側の認識も、せいぜいが“議会対策のとばっちり”といった程度。痛みも感じていなかったらしい。
 組合の言う通り、こんな発想では困るのだ。水害があって地震があって、家や職を失った県民も多い。そうでなくとも県職員の待遇は民間とあまりにかけ離れている。
 3万人以上いる県職員の給与は、平均で732万円だという。退職金の平均支給額は一般職員で約2700万円。警察官が約2800万円で教育公務員が約3000万円。(平成16年度『県職員給与などのあらまし』より)
 県の財政運営計画によれば、今後の経済を楽観視した場合でも、一般行政経費は5%(200億円)カットするという。だが削れる部分は限られる。それゆえ人件費に踏み込んでいかざるを得ない。
 12月9日、県職員のボーナスが支給された。平均で94万2千円。昨年対比で0.4%アップだという。とりあえず明るい年の瀬を迎えたようだ。
【 腰砕けの削減案 】
 中越震災から1周年の10月、好対照の事態が明らかになった。まず北からショッキングなニュースが飛び込んだ。北海道の高橋はるみ知事が職員団体に示した内容だ。06年度から2年間、全道職員の月給を10%、期末・勤勉手当15%削減するという。
 道職員の平均年収は730万円。1人当たりの削減額は年間約115万円になる。さらに管理職手当は20%、退職手当は5%カットする。知事ら特別職も給与と期末手当をカットする。知事が25%、副知事と出納長が20%の削減だ。   財政再建団体へ転落寸前の北海道は新潟より財政事情が厳しい。06、07年度で1800億円の歳入不足が見込まれるという。
 ほぼ時を同じくして決まったのが新潟県の臨時給与削減案。10月26日、県と組合側で合意したという。その内容は「1%1年間」というもの。ゼロを一つ書き落としたのかと思いたくなる。だが11月の臨時県会で正式に決定したのだから間違いない。
 「当初、県側は06年から2年間3%、さらにその後の2年間は1.5%の削減案を示していた。それが1%1年間では県民に示しがつかないでしょう。しかも水害、地震の復興に資するための削減案だったのです。それを震災から1年経って決めているのだから」(非自民の県議)
〜 中略 〜
【 1%1年はあんまりだ 】
 組合から、〈これまでの賃金カットは議会対策〉と言われた県議会。ナメられたようなものだ。それでも12月の県会で、この一件を質す発言が飛び出した。自民党の齋藤隆景議員だ。一般質問でのことだが、質問・答弁を合わせて10分に満たない。 まず齋藤氏の質問から。
「震災1年になって、給与削減の決定がなぜここまでずれ込んだのか?以前の委員会で人事課長から“1%1年で決まりました”と聞かされたわけです。震災から1年たっているのです。ここまでずれ込んだ要因は何なのか。被災地の多くの皆さんは、就職も出来ない、給与ももらえない。もちろんこの冬、ボーナスも出ない。そうした労働者がたくさんおられるのです。なのに“1%1年”はあまりにもひどい」(齋藤隆景議員)
 これに総務部長が答えた。
「給与の臨時的削減は人事委員会勧告に定められた給与額から、さらに一定割合の削減を行うことから、職員団体との十分な話し合いを経た上で、先の臨時県議会に提出し、議決いただいものです。今回の臨時的削減については、未曾有の大災害が発生したという特殊な状況がある一方で、既に平成14年から昨年まで、財政的理由に基づく臨時的な削減を実施してきたこと、さらに全国的に大幅な削減を含む給与構造改革が進められていることなどから、職員団体との間で合意に至るまで一定の時間を要したのでございます」
 平成14年から昨年までの臨時削減を、組合は〈議会対策〉と軽くあしらっていたのだが。
〜 中略 〜
 組合交渉の内容について、県民は知る権利がある。知事は情報公開を県政の中心に据えているわけですから。1%1年について、組合や職員にも私たちが知らない、止むに止まれぬ事情があったのかもしれない。そのことを開示してもらいたい。私たちも理解を深める意味で、私は情報公開すべきだと思う。これから組合と交渉するのであれば、“情報公開が条件だ”というくらいの強い態度で交渉に臨んでいただきたいと思います。組合交渉のすべてを情報公開すべいだと、私は考えております」(齋藤議員)
〜 中略 〜

『財界にいがた』平成18年1月号より抜粋

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財界にいがた平成18年2月号
<< 表題:県議会で始まった  道州制論議の“夜明け前” >>

今春をもって県内の市町村合併は一巡する。来年には新潟市が政令市に移行する見込みだ。次に待ち構えるのが2015年にも想定される道州制の導入だ。

【 合併前夜の如し 】
 3月で県内の市町村合併が一巡。きっかけは平成13年、旧自治省から出された通達だった。法律に準ずるという通達が、5年で市町村合併の在り方を変えてしまった。
 その後に待ち構えているのが都道府県の合併。すなわち道州制だ。県議会でちょうど市町村合併の直前みたいな議論があった 以下は昨年9月、県会の地方分権に関する特別委員会での議論(会議録から再現。可能な限り要約してある)
 登場する斎藤隆景県議(自民)は、旧自治省の諮問機関で道州制議論に加わった経験を持つ。委員会のやり取りで、答弁に立ったのは県の総合政策部長。 やや長く紹介するのは、後半で示す知事の答弁と比べていただきたいからだ。
斎藤隆景県議 「既に国は2015年をめどに道州制への移行を考えている。政府部内で議論が進んでいるようだが、この問題に関する情報の収集状況は?」
総合政策部長 「国の地方制度調査会で道州制だ検討されているが、その一部として区割り案が出された。区割りの前提として、まず道州機能の議論が必要ではないか。所管する総務省と、国土交通省が行っている国土形成計画法の話もある。それらの動きを見ながら、情報収集を含めて取組んでいる」
斎藤隆景 「早い時期に道州制を標的とした行政の構造的な組織変革、対応をお願いしたい。道州の機能について検討しているか」
総合政策部長 「市町村合併が相当進展したので、県の役割を内部で検討しているのが実態。都道府県の合併という2層制なのか、更に道州制という3層制なのか、そのあたりも大きな課題と思っている」
斎藤隆景 「単純な都道府県合併ではなく、例えばアメリカ型(連邦制)と言うのか、それに近い形に移行すべきという県が既にいくつかある。一方で都道府県合併の延長を想定するような、2つの選択肢になっている。我が県の方向も絞込みがあっても良いのではないのか」
総合政策部長 「現行の憲法で考えると、やはり都道府県、市町村という、地方の2層制が想定される。それを超えるような道州制が可能かという議論もある。都道府県の合併を念頭に、将来的にその上の州をにらんで検討すべきだと思っている。現段階では都道府県の連携を強めることが一つの方法だと思う」
総合政策部長 「現行の憲法で考えると、やはり都道府県、市町村という、地方の2層制が想定される。それを超えるような道州制が可能かという議論もある。都道府県の合併を念頭に、将来的にその上の州をにらんで検討すべきだと思っている。現段階では都道府県の連携を強めることが一つの方法だと思う」

 やや議論が噛み合っていない。斎藤県議が積極派なら、県は慎重論。
 市町村合併も、広域連合だとかを議論していたら、待ったなしにやって来た。県側の答弁の如く「互いの連携を強めて」とか言っていたら一気に進んで合併になったのだ。

【 知事の慎重論 】
 次いで昨年十二月県会、一般質問でのやり取り。
斎藤隆景 「道州制議論が白熱して参りました。わが国では1880年に香川県が誕生して以来、実質的に都道府県の県域は変わっておりません。実に長い間そのまま残っているわけです。もうそろそろ経済圏を考えたり、様々な財政の問題を考えたりする際に、道州制への移行は避けては通れない議論なのではないかと思います。 私は大昔ですが、西部邁氏らがメンバーだった旧自治省の地方行政活性化長期戦略研究委員会に入れていただいておりました。その時に2015年の道州制移行、2000年の全国町村合併が提案されています。町村合併は5、6年遅れましたが、2015年の道州制移行が本格的な課題になってきたのかなと思っております」
泉田知事 「道州制の導入は、単なる都道府県合併、権限移譲にとどまらず、国の統治構造を変える話だと思っています。地方政府と中央政府がどう役割分担をすべきか、戦時中は一時地方分権という体制をとり、地方長官を任命しました。国の統治構造がどう変わっていくかが、道州制を考える上で重要なポイントだと思います。その上で、広域的自治体と基礎的自治体との在り方を十分に議論を尽くした上で、制度設計が必要だと思っております。」

【 挑発には乗らず 】
斎藤隆景 「道州制には連邦制と、単純な府県連合という2つのタイプがあると思います。私としては、分権がここまで来ると、知事も分権派ですが、ある意味で地方が主体性を持って司法権、立法権を持う、アメリカとは違った意味での“日本型の連邦制”があっても良いと感じています。やれるところは府県連合で、こちらは連法制といった複合的な地域混合型の提案もあるようです。他府県でかなり早くから動いているようです。岡山県では90年くらい、その前から議論しているところもあります。それらに比して我が県の対応はいかがだったのか?知事は是非ともリードする方向で議論を強めていただきたい」
泉田知事 「三月には市町村合併が一巡いたしますので、次に広域自治体がどういった役割を担うのか、議論が加速するだろうと思います。各県知事の感じを見ると連邦制への移行は少数派かなと思います。しかしながら警察を一つ見ても、知事は県警察本部長に対して指揮権を持っていないわけです。地方の課題どう取組んでいくのか、連邦制など様々な議論がなされるべきだろうと思っております。その上でどういった形が望ましいか考えていきたい。本県の対応ですが、これまで地方分権、市町村合併の進展を念頭に、国の地方制度調査会の動向を見ながら県庁内で議論を行ってきたところです。」

【 区割り先行型に反対 】
斎藤隆景 「新潟は福島、山形など東北の一部を含めて北陸圏、あるいは東北圏という考えもある。さらに北陸に長野を加えたプラン、関東圏でという考えもあるようです。いかなるゾーニングが我が県にとって理想とお考えでしょう?既に全国では道州制をにらんだ産業経済論争が起こっています。我が県は対外戦略を含め、ある意味グローバル対応していないのかなと思います。我が県が中軸となって行うような対岸の交流、そうしたものがあっても良いと思う」
泉田知事 「今おかしいのは、国の地方制度調査会で話が進んでいないのに、あたかも道州制が念頭にあるかのような区割り議論が進んしまっていることです。地方側として、区割り議論が先行してしまっているのは危険ではないかと思います。産業経済政策ですが、道州制を進める上で、県境を越えた広域的ブロックの形成は重要だと思っています。北米でも経済界が主導して行政区域を越えた相互交流や政策の調整が行われています。しかし行政区域が定められている県が、県域を越えた計画を定めるべきか、考える必要があります。新潟県が山形や福島、富山を含め、こうずべきという計画を作っていくのは問題が多いと思います。経済圏域をどう考えるかは、経済団体が主導で固まっていくことが先決で、それに対し県がサポートするのが順番ではないかと思います」

平成18年2月 『財界新潟』掲載記事より

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財界にいがた平成18年4月号 up
<< 表題:県庁労使交渉公開が茶飲み話に終わったお粗末 >>

 今どき労使交渉の公開など珍しい話ではない。隣の長野県(田中康夫知事)でも公開している。 〜 中略 〜 鳥取県でも平成16年度から公交渉記録の概要をオープンにしている。
 新潟県の事情やいかに?

〜 中略 〜
 昨年12月の県会の泉田知事は一歩踏み込んだ発言をした。
「労使交渉は相手方との話し合いにより取り決めを行うという性格上、当事者間の信頼関係が守られていることが必要だと思っております。一方的に公開するのは問題があるだろうと思います。  ただし当局側に公開を拒む理由は特にございません。職員団体側の同意が得られないのであれば、公開する方向で検討したいと思っております」(自民党、齋藤隆景議員に対する答弁)
 あとは組合の前向き姿勢を待つばかり。その後の経緯が2月県会で明らかになった。

 「今後、もし組合交渉をされるのであれば、情報公開が条件だというぐらいの、強い態度で臨んでほしい」前回の質問で、齋藤氏はこう注文をつけていた。
 同議員は2月県会の一般質問に再び登壇。改めて労使交渉の公開について質した。知事はヒートアップ、さながら組合バッシングをいった内容だ。
 「交渉経過の公開の考え方については、前回申し上げた通りであり、私は公開すべきであると思っております。職員団体に対して申し入れを行いました。回答が戻ってまいりました。回答は、“事柄の性格上、交渉経過の公開には応じかねる”とのことでありました。何を言っているのか良く分からない。どういう性格があるから公開できないのか、税金で運営されている職員の待遇問題は、県民に広く示した上で交渉すべきではないか。どういう性格なのか、組合の責任として詳細に、県民の前に公開できない理由を示すべきではないかと考えております」(泉田知事)
 このへんは実に厳しい口調だ。ちょっと転調してこうもおっしゃる。
「議会からの後押しがあればもっといいなと思っているんですけど。議決などをしていただければ、公開問題について、改めて申し入れをしたいと思いますけど」(泉田知事)
 とにかく泉田知事の結論はこうだ。
「少なくとも県民の皆様の前に公開できない理由を明らかにする責任は(組合が)負っているんじゃないか」(泉田知事)
 議会とは公式な場だ。
知事のオフィシャルな発言は重い。昨年12月の齋藤発言を受け、県側は組合に申し入れを行った。そして“公開には応じかねる”という回答を得たという。

〜 省略 〜

『財界にいがた』平成18年4月号より抜粋

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