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 ●2008.6 新潟県議会6月定例会 一般質問
 ●2008.9 新潟県議会6月定例会 一般質問
 ●2009.2 新潟県議会2月定例会 一般質問

2008.6 新潟県議会6月定例会 一般質問
≪県立病院等について≫
齋藤県議 県立病院の赤字は解消することなく積み上げられている。昨年度までの3年間の県立病院の決算について伺うとともに、総額429億円の累積赤字に対する知事の所見を伺う。
泉田知事 平成19年度決算における約429億円の累積欠損金に対しては、自己資本金が約268億円、資本余剰金が約248億円あり、合計で約516億円の自己資本が確保されていることから、民間企業会計であれば差し引きプラスであり、ストックとしては会計的に見て健全であると認識しております。 なお、累積欠損金のみをとらえて誤解されることのないよう、今後、資本余剰金との相殺について検討してまいりたいと考えております。また決算額につきましては、病院局長から答弁させます。
病院局長 県立病院の近年の決算についてでありますが、昨年度までの3年間の決算は、
  • 平成17年度が約13億円の純損失
  • 平成18年度が約29億円の純損失
  • 平成19年度が約27億円の純損失となっております。
  • 齋藤県議 全国自治体病院協議会の平成19年7月の発表によれば、赤字病院が増加し、特に100床以上200床未満の病院のほとんどが赤字とされているが、本県の状況を伺う。
    泉田知事 本県の自治体病院27病院の決算の状況でありますが、平成18年度決算では、赤字病院は、前年度に比べ1病院増えて17病院となり、全病院に占める割合は、約6割となっております。また、病床規模別では、100床以上200床未満の病院で8割、約9割が赤字であり、全国と同じ傾向となっております。
    齋藤県議 県内の病院の全てが赤字ではない。病院局は、厚生連等他の医療機関と比較して、県立病院の赤字の構造をどのように経営分析しているか伺う。
    泉田知事 厚生連等の医療機関との比較による経営分析についてでありますが、医業収益に対する費用の割合が、厚生連病院に比べて県立病院は高い構造となっております。 これは、費用の概ねを占める人件費が関連しておりますが、質の高い安全で安心な医療の提供のためには一定の給与水準を確保する必要があると考えております。今後とも、民間病院の取り組みを学びながら、収益・費用の両面にわたる取り組みを進めていきたいと考えております。
    齋藤県議 総務省の公立病院改革ガイドラインをどのように受け止めているか伺う。あわせて、ガイドラインでは、「一般会計からの所定の繰出後、経常黒字が達成される水準を経営に係る目途とする」とあるが、県立病院の現状では、どの程度の繰出があれば目途を達成可能と想定されているのか伺う。
    病院局長 公立病院改革ガイドランの受け止め方と県立病院の経常黒字達成のための一般会計繰り出しについてでありますが、公立病院改革ガイドラインについては、一部の経営指標に基づいた経営改革ではなく、県民の安全・安心といった観点から、安定的かつ持続性のある医療提供体制を、地域の理解と合意を得ながら確立していくべきものと考えております。 また、一般会計からの繰り出しの程度についてでありますが、繰り出しの程度を議論する前に、まずは、収入・収支の両面にわたる経営改善に取組んでまいります。
    齋藤県議 県立病院をほぼ全廃した福岡県の取り組み、大阪府や東京都における取り組みなど自治体病院存続の方向は大変難しい局面を迎えているものと考えている。県病院局は全国の自治体病院の真摯な取り組みをどのように評価しているのか伺うとともに、県立病院の経営形態の見直しをどのように検討しているのか、伺う。
    病院局長 公立病院のあり方については、県民の安全・安心な暮らしが確保される医療体制を構築するという観点に立ち、経営形態にかかわらず、幅広く論議されるべきものと考えており、各都道府県の取り組みも、そのような観点に立つものと評価しております。 本県におきましても、同様な観点から、県が一方的に決めるのではなく、地域の理解や合意を得ながら検討することが重要と考えております。
    ≪県の都市計画について≫
    齋藤県議 県立病院の赤字対策についてこれまでの議会で何度も答弁されているが、なお多額の累積赤字を抱え改善されていない。果たして赤字解消のために十分改善努力をしてきたと言えるのか、自己評価を伺う。
    病院局長 平成19年度決算では、医業収益・損益とも若干ながら改善したところです。 これは、地域中核病院および地域医療病院を中心とした医師不足や偏在、度重なる診療報酬のマイナス改定など、経営を取り巻く環境が極めて厳しい逆風の中にありながら、医療内容の充実・高度化や診療連携の推進など、病院の信頼を高めることにより収入の確保を図るとともに、材料費や経費等の効率的な執行などにより費用の削減を図り、収支改善に向けて経営を行ってきたことによるものと考えております。引き続き、経営改善に資するあらゆる手法を取り入れながら、限られてた経営資源を有効に活かして経営改善につなげていきたいと考えております。
    齋藤県議 他の病院の決算結果と比較して、県立病院は人件費が突出していると考える。県立病院はこの点での改善努力は見られないと断定せざるを得ない。県立病院の人件費比率を伺うとともに、総人件費をどのように分析・評価しているのか伺う。
    病院局長 本県の県立病院の医業収益に占める職員給与費の割合は、総務省調べによれば平成18年度で66.9%で全国都道府県病院の平均62.2%と比べて高い状況にあります。 一方で、医師一人あたり患者数や診療収益は全国平均よりも大きく上回っているほか、経営状況を表する経営収支比率は概ね全国平均並みとなっているところです。各県によって、病院数や地理的環境、病院の役割などが異なっているため、そもそも一律の比較は難しいものですが、中小規模の一般病院や僻地病院が多いという本県の特徴がこれらの指標に反映しているものと考えております。 他県や民間病院の取り組みも参考としながら、収益の確保と職員配置の適正化など収益・費用両面にわたる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
    ≪ふるさと納税制度と税源移譲について≫
    齋藤県議 坂町病院では、産科医師の不在により分娩を受け付けなくなったと聞く。他の県立病院でも、診療料は存在しても救急対応や手術対応が困難になっている病院も増えていると聞くが、県立病院の医師確保の具体策を伺う。
    病院局長 県全体として医師の絶対数が不足している中で、県立病院においては中・小規模の病院を中心に医師確保が困難な状況であります。 医師確保に向けた対策としては、
  • 新潟大学等に対する継続的な派遣要請はもとより
  • 民間医師紹介業者を活用した招へい活動
  • 定年退職した医師の活用 などの取り組みを行っているほか、県立病院間での連携により診療機能の維持に努めているところであります。
  • 齋藤県議 我が県の県立病院は、戦後対策等で増え続けた歴史的経緯がある。県立病院開設の理念があれば改めて伺うとともに、県立病院の具体的役割をどのように考えているかあわせて伺う。
    泉田知事 県立病院開設時には、戦後復興期の県民の健康的で文化的な生活の保持増進を理念としたところであります。また県立病院の役割でありますが、医療サービスにおいて、県立病院でなければできない役割というものは、基本的にはないと考えます。 大事なことは、住民の生命が守られ、安心して暮らせる医療体制をどう構築するかにあると考えておりますので、そうした観点から、民間の活力や知恵を加えた、持続可能な仕組み作りを進めることが必要と考えております。
    齋藤県議 全国自治体病院の今日的現状を鑑み、我が県の中長期における県立病院のあり様をどのように考えているか、所見を伺う。
    泉田知事 県立病院も含めて、県内のどこに住んでいても県民の皆様へ等しく適切な医療サービスが提供されることが重要と考えており、県立のみに拘泥することなく、効率的な医療資源の再構築を図る必要があるものと考えています。 県や地元自治体、あるいは民間の果たすべき役割や連携のあり方などを幅広く議論し、地域の理解や合意を得ながら、県民の皆様が安心して暮らせる医療提供体制を構築することを目指したいと考えております。
    ≪健康保険対策について≫
    齋藤県議 後期高齢者医療制度を巡る県民の反応およびそれに対する市町村や広域連合の対応状況をどのように把握・分析しているのか。また、それらを踏まえて市町村や広域連合にどのような助言を行っているのか、状況をあわせて伺う。
    福祉保健部長 本年4月時点の療養病床5,378床のうち、医療機関の転換意向が未定の病床が約900床、全体の約16%であり、この理由は、介護療養型老人保健施設の報酬が示された時期が遅く、検討を始めたばかりであったことが大半であることからすれば、今後転換は進むものと理解しております。 県といたしましては、相談体制をとりながら医療機関の意向を尊重した転換がなされるよう対応してまいりたいと考えております。
    齋藤県議 「社会的入院」解消のため医療と介護の峻別が図られようとしている。医療から介護までを一貫して提供する「地域包括ケア」の導入が望まれるところだが、厚生労働省は介護療養病床を平成23年度末で廃止し、介護老人保健施設等への転換を図るとしている。これらの施策の前段階的な方法である療養病床転換推進計画の県内の対応状況を伺うとともに、それを踏まえた県の評価および対策を伺う。
    福祉保健部長 本年4月時点の療養病床5,378床のうち、医療機関の転換意向が未定の病床が約900床、全体の約16%であり、この理由は、介護療養型老人保健施設の報酬が示された時期が遅く、検討を始めたばかりであったことが大半であることからすれば、今後転換は進むものと理解しております。 県といたしましては、相談体制をとりながら医療機関の意向を尊重した転換がなされるよう対応してまいりたいと考えております。
    ≪医療状況について≫
    齋藤県議 OECDによる2006年の千人あたり医師数の国際比率において、我が国は2.0人であり平均の3.0人を充たすには約12万人不足しているとされている。県では、県内医師の不足数をどう見込んでいるのか現況を伺うとともに、これまでの医師確保に向けた県施策の成果について伺う。
    福祉保健部長 本県の人口あたりの医師数を全国平均と同レベルまで引き上げるだけでも約770人の医師が必要になっています。 県といたしましては、奨学金等を活用した医学生の地元定着の促進や医師、研修医の招致のための体制整備を進めてまいりました。これまでの成果として、県内の臨床研修病院による「良医育成新潟県コンソーシアム」を設置し、医療機関と一丸となって取り組む体制を整備し、各種イベントや訪問活動を実施しております。またこれまで国に対して様々な要望活動を実施してきており、医学部の定員増などが実現したところです。
    齋藤県議 従来から我が党が主張しているように、北陸3県で医学部2、医科大学2の395人の定員に対し、本県の1医学部、110人の定員では医療格差が広がるばかりだが、県がこの主張で国に働きかけてきたということを仄聞しない。県内で医師が不足している現況を生じさせた原因をどのように分析しているか伺う。
    泉田知事 県内の医師不足の原因についてでありますが、議員ご指摘のとおり、人口あたりの新潟大学の医学部定員が全国に比して少ないことが最大の要因と考えております。このため、県といたしましては、従来から「医学部の定員増」を国に働きかけてまいりましたが、この度、厚生労働省が、「安心と希望の医療確保ビジョン」において、従来の方針を転換し、「医師養成数を増加させる」としたところです。今後、医師不足県に配慮した医学部の定員増や医科大学の新設など、医師養成数の増について、必要に応じて国に働きかけてまいります。
    齋藤県議 県立坂町病院の分娩が中止され、同病院の妊婦は周辺病院へ行かざるを得なくなったとの報道があったが、県立病院における各診療科別の医師の充足状況を伺う。
    病院局長 各県立病院における地域医療ニーズに基づきますと、特に内科、産婦人科、小児科、および麻酔科などが不足していることから、その充足に力を入れる必要があると考えております。
    齋藤県議 個人開業医を含んだ地域別の医師偏在の実態はそのような状況か伺うとともに、特に医療過疎と指摘される地域の存在も明らかにするべきと思うが、その実態を伺う。
    福祉保健部長 医師の偏在につきましては、県内2次医療圏別の人口10万人あたり医師数では、最も多い新潟圏域では241人と唯一全国平均を上回っておりますが、以下、中越、上越、下越、佐渡、県央の各県域と続き、最も少ない魚沼圏域では126.2人となっております。身近な医療機関が無く、公共交通機関を利用しても医療機関まで1時間以上を要する「無医地区」や「無医地区に準じる地区」につきましては、県内には、中山間地域を中心に合計で56地区となっております。
    齋藤県議 少子化の要因の一つとも指摘される産科医の不足について、開業医を包括して県内の産科・産婦人科医師数は全国43位とされているが、この状況の具体的な打開策を伺う。
    福祉保健部長 県では、産科・産婦人科医師、特に不足している診療科の従事を条件とする奨学金の拡充や、産科医師の負担を軽減させるための産科遠隔医療診断ネットワークの導入などの取り組みを行っているところです。また、産科においては、特に若手女性医師の比率が高まっていることから、県の「医療確保・僻地医療支援会議」に「女性医師支援専門部会」を設置し、女性医師の離職防止、出産育児等と勤務の両立ができるよう、勤務環境の整備について検討を進めているところです。
    齋藤県議 各地医師会の開業適正化委員会等の機能を参考に、新潟市等の都市部に偏重する開業ラッシュを何らかの形で規制しなければ県民の医療が守られない時期に来ているのではないか、と指摘する医師会古老もいるが、医師が開業する際の規制等に関し、法律家を交えて県医師会や病院団体等と協議を重ねるべきと考えるが所見を伺う。
    福祉保健部長 議員ご指摘の通り、本県の課題の一つとして医師の地域偏在があり、この対応策としての開業規制は医師の特定地域への過度な集中の是正や、規制地域外への誘導などの効果が考えられますが、反面、独占禁止法に抵触する恐れや、規制の結果、他県に流出する恐れなどの課題があると考えられております。このため、県といたしましては、地域の医療体制の確保のため、僻地勤務を条件にした奨学金制度を実施するとともに、病院等の管理者となる要件として医師の僻地での勤務経験の義務化などを国へ要望しているところであります。
    ≪ガン対策について≫
    齋藤県議 がん対策推進条例施行1年になるが、この間の県の施策実績等について伺う。
    福祉保健部長 がん対策推進条例施行後に新たに行ったものといたしましては、
  • 乳がん、子宮ガンをテーマにしたFM放送等による啓発
  • 飲食店における禁煙・分煙対策を促進するため、健康づくり支援店に「禁煙・分煙対策部門」の創設
  • がん医療の均てん化の一環として、本年2月に県立新発田病院および新潟労災病院を地域がん診療連携拠点病院に新たに加え、県内8ヵ所に拠点病院を整備したところであります。
  • 齋藤県議 がん対策推進計画案に関連し、前立腺がん予防には前立腺腫瘍マーカーの普及が有効であり、普及に向けた取り組むよう市町村を指導または支援する考えはあるか、所見を伺う。あわせて、大腸がんの予防には、食物繊維の計画的摂取が有効である等、疫学的な調査研究が進んでおり、このことを計画に盛り込むべきと考えるが所見を伺う。
    福祉保健部長 前立腺腫瘍マーカーを用いた、がん検診については、本県では、8割以上の市町村で検診を実施し、一定の成果も上がっておりますことから、県といたしましては、引き続き、検診結果の情報提供等を行い、より一層の成果が得られるよう市町村を支援してまいりたいと考えております。また、食物繊維の摂取による、がん予防につきましては、計画案に記事の「野菜摂取量の増加」と密接な関わりがありますことから、大腸がんと関連付ける形で盛り込んでいきたいと考えております。
    齋藤県議 C型肝炎訴訟に関する知事の活動について、三件分立の観点から問題とする識者・学者の意見も相次いでいる。患者救済に対する知事の責務と熱い思いは理解するが、慎重であっても良かったのではないかと思うが、所見を伺う。
    泉田知事 今回の要望につきましては、患者に落ち度が無く、カルテがないだけで認定を受けられない恐れのある患者がいらっしゃるという現状について裁判所に理解していただくため情報を提供したいということであり、問題ないと考えております。
    ≪高齢者対策について≫
    齋藤県議 成年後見制度が施行されて8年、県内における制度の運用状況と派生する問題点をどう把握しているか伺う。あわせて、市町村長がいわゆる代理人として申立権者となれるが、市町村の関与の実態を伺う。
    福祉保健部長 新潟家庭裁判所によりますと、法定後見申立の終局件数は、平成17年度が346件、18年度が615件と増加傾向にあります。また、やむを得ない理由で市町村長が行う法定後見申立の終局件数は、平成17年度、平成18年度ともに9件となっております。 少子高齢化が進んでいる現在、成年後見制度は介護保険制度とともに、高齢者が安心して生活していくためには必要なものと考えます。しかしながら、制度の認知度がまだ低いことや、市町村での対応可能としている割合が、平成18年度末時点で約4割に止まっていることから、県といたしましては、市町村の体制整備とあわせて、引き続き制度の周知を図って行きたいと考えております。
    齋藤県議 高齢者虐待は被虐待者の多くに認知症や身体に障害を持つケースが多く、自らの被害を訴えられない事例が多いと聞くが、県内における虐待の現状、地域包括支援センター機能の展開と市町村指導の具体的な状況を伺う。
    福祉保健部長 平成18年度において市町村が相談や通報を受け、事実確認により虐待と判断した件数は494件であり、虐待の種別割合では身体的虐待64%、心理的虐待38%、経済的虐待22%となっております。また、虐待に対する取り組みの現状については、県内の全市町村に相談窓口が設置されているほか、市町村の地域包括支援センターを中心とした自治体や介護サービス事業所など関係機関による見守り等のネットワーク構築は、平成18年度末時点で5割となっております。県といたしましては、圏域単位の「高齢者虐待防止ネットワーク」を活性化し、広域的な連携を図ることで、市町村等の取り組みに対して支援してまいりたいと考えております。
    ≪魚沼基幹病院について≫
    齋藤県議 県内の医療整備の総論がないまま、6年前に魚沼高規格病院構想が提案され、そのまま現在まで推移している。県央地域の中心的な医療機施設のあり方や新発田地域での病床利用状況等の課題に対し、この間関係部署から明快な県内の総医療計画は示されていないが、県内の医療をどのように俯瞰しているのか伺う。
    福祉保健部長 県民全てが、県内のどの地域においても安心して医療サービスが受けられるよう、新潟県地域保健医療計画を策定しており、これに基づき、二次医療圏ごとの医療資源の現状と課題を十分に踏まえながら、医師確保はもとより、
  • 救急医療や僻地医療等、医療機能の整備
  • 病院と診療所との役割分担と連携強化等、地域で必要な医療の確保に努めてまいります。
  • 齋藤県議 病院を誰が運営するかが、ベンディングのまま放置されている。運営団体の決定方法と、その時期、条件をどのように考えているか、伺う。
    福祉保健部長 地域の拠点的医療を安定的・継続的に提供するためには、魚沼基幹病院の運営形態が重要であり、
  • 公益性に配慮しつつも、民間の経営ノウハウを活用した効果的・効率的運営が可能となること
  • 医師の確保や派遣が柔軟に行えること等から、財団法人による運営を想定しております。 また、運営団体の決定時期等については、基本計画策定作業と並行して行う財団法人の設立に向けた準備作業の中で検討を進めてまいりたいと考えております。
  • 齋藤県議 建設の前提として、医師の確保策が明確に担保されることが不可欠であると考えるが、具体的な医師確保計画を伺う。
    福祉保健部長 魚沼基幹病院にとって医師確保は最大の課題であり、平成18年度には新潟大学との間で覚書を締結したところです。また、医師にとって魅力ある環境を整備することで、医師確保に繋げたいと考えており、
  • 地域医療を理解するための学生実習や臨床研修の機能を持たせる
  • 専門医の指導による医師としてのキャリア形成に資する仕組みを構築する
  • 臨床研究を行う組織を併設する など、今年度設置する「魚沼基幹病院基本計画策定委員会」の中で、更に検討してまいりたいと考えております。
  • 齋藤県議 研究施設併設の提案について、国立大学法人では全収入のうち54.8%が国費で賄われており、医学研究費が全ての大学の経営を圧迫する状況にある現状では簡単に提案できるものではないと思うが、研究施設の運営に当って国立大学法人と同様に見込まれる多額の費用は県が負担する予定と考えてよいのか、伺う。
    泉田知事 研究施設の費用負担についてでありますが、医師確保策の一環として、数多くの医師が興味を持つような特色ある臨床研究組織の併設を考えております。 県の負担については、今年度設置する「魚沼基幹病院基本計画策定委員会」の中で、臨床研究組織のあり方とあわせて検討してまいりたいと考えております。
    齋藤県議 医師確保として教授制を採用する事が提案されたことがあるが、教授制には講座制が不可欠であり、魚沼基幹病院は既存の大学本体または研究所本体が運営主体となると考えてよいか、伺う。
    福祉保健部長 魚沼基幹病院の運営主体として、県が主体となって設立する財団法人を考えております。なお、医師確保として、例えば、大学が公募した医師を教授等の教員として財団法人に出向させる仕組みなどについて、基本計画策定作業の中で、検討してまいりたいと考えております。
    齋藤県議 高名な院長等の招によって意思が確保されるとの提案もあるが、現在の新潟大学や県内の主要な病院の医師不足はどう考えればいいか。高名な教授がいながら、医局に医師が集まらない現状をどのように考えているのか、所見を伺う。
    泉田知事 医師臨床研修制度の導入などにより、若手医師の意識の変化や職場選択の多様化が進み、研修医等が大都市圏に集中しております。これらの医師の中には、大都市圏の病院に戻れることが保障されていれば、短期間地域医療に携わってもよいと考える医師が多いと聞いております。このため、医師不足の地方に医師を集めるには、大都市圏との人事交流ができる仕組みが必要であると考えており、その仕組みについて検討してまいりたいと考えております。

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    2008.9 新潟県議会9月定例会 一般質問
    ≪地球温暖化とみられる農作物の被害について≫
    齋藤県議 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が昨年の第四次報告で「温暖化には疑う余地がない」としていることもあって、日経の「地球温暖化とみられる農作物の被害がすでに出ているか」との問いに対して、多くの府県が被害実態や、被害を懸念している状況を列挙したが、本県の回答はどのようなものであったか。
    町屋農林水産部長 「地球温暖化とみられる農作物の被害がすでに出ているか」との問いに対して、稲作では、出穂期の早期化と高温の遭遇による白未熟粒の発生・大豆では、害虫の多発や、しわ粒の増加・園芸作物では、イチゴの収穫時期の遅れや、ユリの花の奇形等の障害が増加していると回答している。
    齋藤県議 日経の調査によれば、37府県の農業関係試験機関が米の品質の低下が拡がっているとの報告をしているが、県は、地球温暖化が及ぼす米作への影響をどのように認識しているか。
    泉田知事 近年、温暖化により生育が早まり、コシヒカリが気温の高い八月、九月の気温も上昇傾向にあることから、高温年には白未熟粒等の発生により品質低下している。今後、さらに温暖化の進行が予測されていることから、品質低下のリスクは高まる。
    齋藤県議 水稲の被害で目立つのは、品質低下や減収につながる白未熟粒の発生と指摘されているが、本県における白未熟粒の発生状況を伺う。
    町屋農林水産部長 近年の白未熟粒の発生割合は、農産物検査の結果から推測すると、平成11年が39%と最も高く、次いで平成13年及び平成18年が13%となっており、整粒不足と並んで大きな品質低下の要因となっている。なお、白未熟粒の発生は、単位面積あたり籾数や水管理等に影響されますが、出穂後20日間が高温で推移した年は、増加する傾向にある。
    齋藤県議 九州圏域を中心に広がった高温回避の作付けや、高温化対策として新品種開発状況について、本県の状況を伺う。
    町屋農林水産部長 本県では、出穂期以降の高温による品質低下を回避するため、平成12から田植え時期を遅らせる取り組みを進めており、田植えの最盛期は平成11年の5月5日から、本年は5月9日遅れている。また、これまで全国に先駆けて高温下でも高品質で食味の良い早生品質「こしいぶき」、「ゆきん子舞」を開発してきているが、今年度から温暖化を踏まえ、コシヒカリを越える高品質・良食味な晩生品質の開発に着手した。
    齋藤県議 大消費地の都市部を中心にコシ・ブランドの低迷が伝わり始めた。品種改良や生産指導だけではなく、販売対応等も含めて、県は産地と業者に任せることなく調査・研究・施策展開を積極的にすべきだ。
    泉田知事 他県産米の品質向上等で新潟米の販売環境が厳しい状況の中、今後ともトップブランドを維持していくためには、市場競争力を強化し、消費者から絶対の信頼を勝ち得ていくことが必要である。このため、消費者重視、食品・品質重視という基本方向に基づき、生産・流通両面において、ブランドに見合う食味・品質を確実に消費者に担保できる仕組みづくりを進めていく必要があり、品質基準に基づく区分集荷や適正流通の確保等について、関係者と論議しながら合意形成を図っていくことが重要である。
    齋藤県議 県の農業分野の研究機関に対する投資の実績を伺うとともに、他県との競争力確保のためには、かなり思い切った投資が急がれるべきだ。
    町屋農林水産部長 本県では、平成9年度、農業総合研究所に体制を一元化し、バイテク温室やオープンラボ等の施設整備を進めるとともに、人材育成の面では博士号の取得等専門性の強化を図ってきた。成果としては、これまで特許権等を38件取得、育成品質では7作物45品種を登録する等、全国トップクラスの実績を挙げている。今後も、青いユリや米粉等本県の強みを生かし、外部資産も積極的に確保しながら、重要性、緊急性の高い研究課題に重点的に投資していく。
    齋藤県議 国の農業助成の減額が続く中で、建独自の農業施策展開に向けて、施策を達成するための特定財源の確保を含め、どのように重点化を図っていく考えか。
    町屋農林水産部長 県では、「夢おこし」政策プランに掲げている、産業として成り立つ競争力のある農業の育成や、安全・安心な農産物の供給力の向上等を目指して施策を展開してきた。厳しい予算の中であるが、施策の実施状況についての外部委員等による評価や、バイオエタノールなど食料・農業・農村を取り巻く情勢変化を踏まえ、事業効果の早期発現や、優先度を考慮する中で、施策の選択と集中を図るとともに、国に新たな制度設計も求めながら、将来に展開の持てる農業の実現に向けて、取組んでいく。
    齋藤県議 最近の農業白書等の記述には、従来型のほ場整備を中心とした農業農村整備事業の在り様に変化が生じているように感じるが、農水省のほ場整備事業に対する施策方針をどのように受け止めているか。
    泉田知事 議員ご指摘の通り、近年の農業農村整備事業においては、農業生産基盤整備の促進に加え、施設の更新・保全管理と農村環境の保全・形成への配慮に視点を置いた幅広い施策方針に変化して来ている。一方、最近の農業をめぐる情勢は、世界的に食料需給が逼迫し、食料供給力の確保が喫急の課題となっている。こうした状況の中、農水省の方針としては、ほ場整備事業は、優良農地の確保、経営体の育成および農地の利用集積を図る重要な事業として位置づけている。
    ≪農地・水・環境保全向上対策について≫
    齋藤県議 「農地・水・環境保全向上対策」は、農水省施策の新たな方向を示唆していると考えるが、この対策について県はどのように受け止めているか。
    小林農地部長 「農地・水・環境保全向上対策」についてだが、この対策は、農村地域における過疎化・高齢化・混在化の進行に伴う集落機能の低下により、農地や農業用水等の適切な保全管理が困難となってきていること等から、農村地域の協働力を活かした、水路の泥上げ、草刈りや花の植栽等の地域活動を支援するものである。県としては、農業の持続的発展と農村振興を図る上で、農地・水・農村環境等の資源をより良い状態で保全することが重要だから、この対策は効果的である。
    齋藤県議 昭和53年6月の集中豪雨で新潟平野の多くの農地、居住地域が湛水したが、最近、岡崎市を襲った時間当たり150oを越える雨量の豪雨に新潟市を中心とする蒲原平野等を含む地域が見舞われたと想定すれば、端的にどのような事態が予想されるか。
    野澤土木部長 最近の集中豪雨を想定した被害予測についてだが、新潟市では、平成10年8月に時間雨量97oという集中豪雨に見舞われたことから、それを契機に、床上浸水および溢水被害の解消を目的とした対策を、国、県、市で進めているところだ。仮に、時間雨量150oという集中豪雨が同地域に発生した場合には、下水道の整備水準が時間雨量50o程度であることなど、現在進めている対策の計画規模を上回ることから、低平地を中心に内水被害の発生が予想される
    齋藤県議 蒲原平野の県と国の排水機場の整備は農業に特化したものにとどまらず、結果として亀田郷等を中心とした居住区域の安全に寄与している。知事は現状の排水機能の強化等集中豪雨対策のレベルアップを急ぐべきだ。
    泉田知事 近年の集中豪雨に鑑み、その対策のレベルアップに努めているが、また、更なる気候変動の顕著化により、洪水発生のリスクの増大が懸念される中、県民の安全・安心確保のため、ソフト対策として防災情報の迅速な避難態勢の強化等、危機管理対応にも万全を期していく。
    齋藤県議 蒲原平野の農業排水施設は施工後すでに耐久年数を越えているものも多いと聞くが、現状を伺うとともに、更新には莫大な費用を要することから一義的には長寿化を図るべきと考えるが、それらに要する費用は概算でどのくらいになるのと考えているか。
    小林農地部長 基幹的な農業排水施設は、排水機場や水門等が118施設、排水路が延長で755q、419施設、合計で537施設あり、更新する場合の再建設費は、概算で5,000億円程度になる。償却年数を基に定められた標準耐久年数は、施設が使用できなくなる年数と必ずしも一致はしないが、現在、標準耐久年数を迎えている施設は、合計で178施設あり、再建設費は概算で1,600億円程度になる。 県としては、施設を有効に活用する観点から施設の機能診断を行い、保全計画を策定し、きめ細やかな補修を実施することにより、できる限り施設の長寿化を図るとともに、計画的な更新を行ってまいりたい。
    齋藤県議 蒲原平野における排水施設は、国交省、農水省、土木部、農地部の所管の別が水対策を困難にしているとの指摘がある。新潟県の中心的地域の安全な排水対象だけに国、政令市との協議を重ねて抜本的な治水計画を検討することが必要な時期に至っていることと思うが、どうか。
    泉田知事 蒲原平野の治水対策、とりわけ排水対策については、農地、宅地などの土地利用状況に応じて、国、県、市が適切に役割分担しながら実施してきたところであり、計画段階から関係機関と十分協議しながら進めてきた。 特に、多くの排水施設を抱える低平地において、効果的・効率的な排水対策を講じていくには、現行の治水計画を着実に進めていくことが先決であると考えているが、今後の土地利用の動向等を見ながら、必要な見直しを進めていく。 なお、抜本的な対応のためには、国からの権限と財源の移譲が必要なので、県議会議員の皆様からも様々な機会を通じて国などへ働きかけ頂きたい。
    齋藤県議 蒲原平野の治水対策は国家的視点からの高い見識と視点が不可欠であり、未曾有の災害が想定されることを考慮すれば、蒲原平野の治水対策は不退転の決意があって然るべきだ。
    泉田知事 蒲原平野は、信濃川、阿賀野川という日本を代表する大河川が作り出した北陸地方最大の平野であり、大河津分水路を始めとする大規模な治水対策や低平地の排水対策等により、豊かで安全な県土の整備が進められてきたところだ。 また、近年の頻発する平成16年7・13新潟豪雨などの集中豪雨に対しても、河川改修などの抜本的なハード対策を講じてきた。 今後は、更なる気候変動の顕著化により、洪水発生のリスクの増大が懸念される中、県としては、県民の安全・安心確保のため、必要なハード対策の実施と併せて、ソフト対策としてハザードマップの周知はもとより、水防警報や土砂災害警戒情報等を市町村に迅速に伝達し、これに基づき県民が安全に避難できるよう態勢の強化を行うなど、引き続き、関係機関と連携しながら、総合的な治水対策に取組んでいく。

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    2009.2 新潟県議会2月定例会 一般質問
    ≪地方道州制について≫
    齋藤県議 地方道州制についてだが、国は地方分権改革推進委員会の基本的な考え方では、「自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する完全自治体としての地方政府」を提案している。第2次勧告では自治立法権、自治行政権については「義務付け・枠付け」を見直すとしている。実際に見直されれば、非常に充実したものになるものと思う。こうした検討は地方公共団体として概ね完結する形として道州制をにらんでいるからに他ならないと考える。自民党、政府共に09年度に通常国会成立を考えている。 道州制ビジョン懇談会(政府)堺屋委員 道州制基本法制定委員会(自民党)久世参与 地方分権と道州制について、道州制は政府主導で導入検討が進んでいると思うが、現時点での政府の道州制ビジョン懇談会の検討における道州制導入の理念目的について総論としてどのように考えているか。
    泉田知事 道州制は、我が国の統治機構全体の改革であって、国と地方の役割分担を根本的に見直した上で、地域主権を実現させるべきで、そのためには権限と財源が地方に移譲され、施策の優先順位を地方自らが決定できる仕組みを構築することが必要と考えている。昨年3月に公表された「道州制ビジョン懇談会」の中間報告では、地域相互の善政競争による日本全体の活性化等を目的として「地域主権型道州制」を打ち立てるとしており、この点に関しては一定の評価ができるものと考えている。
    齋藤県議 既に世界どの国よりも債務におけるGDP比は突出しており、固定費の合算効果や行革効果に伴う費用減額の観点から財政的に道州制導入が寄与することは想像に難しくない。道州制は国家的な見地から不可避の状況と考える。現行の政府議論には諸手を挙げて賛成しがたいが、知事は道州制に必然性を認めているのか。
    泉田知事 今ほどの答弁申し上げたように、目指すべき道州制は、何よりも地域主権を実現させるものであるべきだ。結果として、国と地方の「二重行政」の解消など簡素、効率的な政府の実現も期待されるが、道州制が単なる行財政の効率化を目的としたものであってはならないと考えている。
    齋藤県議 世界には国家制度として連邦制を最初に成立させたアメリカ合衆国をはじめ、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、マレーシア、ナイジェリアの各連邦共和国とベネズエラ、スイス、オーストリア、インドの共和国、ベルギー王国、パキスタン回教共和国など15カ国がある。連邦制を敷いている国は連邦制の定義が様々にあるが凡そ15カ国内外である。他に国名に連邦が表示されているミャンマー連邦、アラブ首長連邦、ミクロネシア連邦、コモロ・イスラム連邦共和国、エチオピア連邦共和国、ロシア連邦の6カ国があり計21カ国となる。一部には真の民主主義と地域主義を成就する制度として、道州制移行に際して連邦制を主張する意見もあるが、連邦制を我が国に導入する事についてはどう考えているか。
    泉田知事 一口に連邦制国家といっても連邦と権限・権力の配分関係は多様であり、例えば、アメリカ型の連邦制は、州兵を持ち、司法分野の権限まで有する自主・独立性の高い体制だ。我が国にはなじみにくい部分もあると考えている。連邦制に近く、かつ単なる都道府県合併とは異なる道州制を目指していくべきではないか。
    齋藤県議 国の財政的根拠による分散統治型の道州制移行は、地方議会人の一人として容認できない。 府県が合併・連合するような道州制であれば、施行するべきではない。権限や財政制度に、今までの如き体裁だけのものではない、根本的な改正がないままに府県が連合するような道州制に対する是非についてどう思うか。
    泉田知事 国と地方の役割分担の根本的な見直しがなく規模が拡大するだけでは、今よりも自治が遠のくこととなるから「道州制」とは呼べない。単なる都道府県合併にはむしろ反対すべきだ。
    齋藤県議 道州制における具体的な問題として、どのような地方自治構造を目指すかについては様々な議論がある。これまでの長い歴史や機能を考えると広域自治体と基礎自治体の二層制であるべきと考えるが、どうか。
    泉田知事 昨年3月の政府の道州制ビジョン懇談会中間報告では、「国民生活に関する行政の責任は一義的には道州と基礎自治体が担う」と道州と基礎自治体の二層構造を前提としているが、県を廃止し国と基礎自治体で構成するいわゆる廃県置藩等の考え方もあると承認している。いずれにしても、まずは、道州制下における国と地方のあり方についての国民的な合意形成が優先されるべきものだ。
    齋藤県議 現在の地方分権は分担でしかなく、本来の定義は、地方でやれるべきこと、地方でやれることの執行権を地方へ委ねることと考えるが、知事は地方分権の定義付けを概略的にどのように考えているか、知事の考える地方分権とは何か。
    泉田知事 地方分権とは、「地域のことは地方公共団体が担い、住民が自らの責任に基づき決定する」ことができる社会を築くこと、すなわち、地域住民のニーズや地域の実情にあった行政サービスを自らの責任で決定していくことができるようにすることだ。
    齋藤県議 地方主権を標榜する向きもあるが、主権は法制度の制限を受けることから連邦制でのみ担保されるものと考える。地方主権の実現には国の仕組みが変わらなければならず、現行の法案系下では地方に主権はないものと考えるが、どうか。
    鶴巻知事政策局長 憲法に「地方自治の本旨」が規定され、平成12年の地方分権一括法により国と地方は対等・協力の関係とされているところだが、現実には地方の自由度・裁量度は様々な分野にわたり制限されており、地方に「主権」があるとは言えないものと考えている。
    齋藤県議 現在の地方には自主権限はなく役割を分担しているに過ぎない。外交、司法といった国の所管・権限の範囲や国の役割分担をどのように考えているのか。
    泉田知事 国の所管や役割分担は、外交、防衛等国家としての存立に関わる事務、通貨・通商政策等、全国的に統一して実施する必要のある政策、及びナショナルミニマムに関わる事項に限定するべきである。住民に身近な行政はできる限り地方自治体に委ねるべきだ。
    齋藤県議 地方分権社会において県が一義的に担うべき業務の範囲、すなわち県の行政権限の範囲について、いかにあるべきか。
    泉田知事 住民に身近な行政は基礎自治体である市町村ができる限り幅広く担い、市町村ができない広域的・専門的な行政課題への対応や、市町村の行政サービスが効率的に行われるようなサポートやコーディネートを行うのが役割であるべきと考えている。
    齋藤県議 国の小出しの「権限委譲」と称するものが続いているが本格的な国から地方への権限委譲には程遠い。この流れをどのように考えるか。
    泉田知事 議員ご指摘の通り、私もこれまでの間、本格的な国から地方への権限委譲が行われたとは言えないものと認識している。国の縦割り行政の中で、政官財いずれも日本全体の利益を考えられる体制ができていないことに起因しているものと考えられ、我が国のあり方をしっかりと見据え、国と地方の役割はいかにあるべきかという議論が必要だ。
    齋藤県議 現段階における道州制提案では、国の出先機関を道州が分担するイメージが伝えられている。国の出先機関の見直しは、道州制におけるあるべき姿を示して行われるべきであり、なし崩し的に移行すべきではないと考えるが、道州制の前段階と考えられる出先機関の見直しについて、どのように考えるか。
    泉田知事 道州制を前提とした議論をする前に、まずは、地域のことは地域で自己決定するという地方分権の本旨に沿い、国と地方の役割分担をしっかりと議論し、それに伴い必要な権限や財源の委譲を行うことが重要ではないか。その結果として国に残る機能が見直しを行うべきであり、国と地方の役割分担の見直しが不十分なまま、組織の見直しありきで進められている現在の議論では無理が生じるものと考える。
    齋藤県議 地方分権改革の推進に当たっては国から地方の税源委譲を求めているが、「何をどの様に、何処までの範囲で」どこまでを求めるのか県民には分かりにくい。地方が保持すべき税目や税源委譲の範囲について、知事はどのようにあるべきと考えるか。
    泉田知事 分権を推進するためには、地方自治体が自立できる税制とする必要があり、例えば、ドイツの共同税制のように、現在国税である所得税や法人税等の基幹税を共同税として地方税化し、地方が徴収した上で、外交や防衛等国が行うべき経費を国に納めるような制度を、道州制も視野に入れて検討することが必要ではないか。、組織の見直しありきで進められている現在の議論では無理が生じるものと考える。
    齋藤県議 神奈川県の臨時特例企業税に対する違法判断をどのように受け止めているか。また、判決理由は「法人事業税等の趣旨に反する課税は許さない」、「地方税法は、法人事業税について欠損金の繰越し控除を認めている。臨時特例企業税は法の規定の目的や効果を阻害」としている。こ注意は「地方の裁定権の範囲」が論点となっているが臨時特例企業税は地方の裁定権の許容範囲に含まれるものであると考えられるがどうか。
    泉田知事 臨時特例企業税についてだが、横浜地裁による判決については、現行制度における地方公共団体の課税自主権について、具体的な課題や問題点が明らかになったものと認識している。地方公共団体の課税自主権は、地方自治に不可欠の要素であり、地方の裁量権はより尊重されるべきと考えるが、神奈川県が控訴していることから、今後の司法の判断を見守りたい。
    齋藤県議 地方分権改革の推進に当っては、税制委譲ではなく総論としての委譲すなわち税制委譲を求めるべきと考えるがどうか。
    泉田知事 議員ご指摘の通り、地方分権改革の推進に当っては、単なる税制委譲ではなく、国から地方への課税権の委譲、すなわち税権委譲が必要ではないか。
    齋藤県議 地方分権改革推進委員会では第三次勧告で自治財源権の提案がなされると聞く。税源委譲を通じた自治財源権の確立は、財政力に劣る地方においてナショナルミニマムの確保に支障をもたらす危険性がある。地方に格差が生じない地方交付税を軸とした現行の財政調整制度の継続が必要と考えるがどうか。
    泉田知事 地方交付税は、どの地域でも一定の行政サービスを提供できる財源を保障するとともに、財政力の格差を調整する役割を果たしており、その機能は重要だが、総額や配分方法を国が決定するという点で問題がある。このため、当面は、現行の財政調整制度の機能を生かしつつ、その決定過程に地方の意向を反映できるよう、地方と国の協議の場を設けることが必要だ。将来的には、道州制を視野に入れて、さきほど答えた「共同税」とあわせて、地方間の財政調整の必要性を検討するべきではないかと考えている。
    齋藤県議 身近な道州制論議では、圏域をどうするかという議論が県内でも容易に提案されている。道州制の枠組みは通常の経済圏及び生活圏そして歴史的通有性等の多くの諸条件を背景に議論があって然るべきだ。その上で我が県と県民にとっての将来的視点を確保された見解が望まれる。知事は圏域についていかなる所見があるか。
    泉田知事 圏域は、議員ご指摘の通り、道州の役割等を踏まえ、社会経済活動の範囲、地理的特性や歴史文化等、様々な視点からの議論の下で決定されるべきである。道州制に対する共通認識が形成されていない現段階では、一県で道州を構成することも含めて、あらゆる可能性を排除せず隣県との連携や交流を深めていく必要がある。
    齋藤県議 道州制の移行に向けては、県民論議が欠かせないが現時点で普遍的県民理解はないと考える。行政の各分野にも関連する問題であることから、県職員の間でも道州制に対する十分な検討と認識が必要であり、また、各市町村の認識も十分に聴取する必要があると思うが、今後どうのように取組んでいくのか。
    鶴巻知事政策局長 未だ、道州制の理念目的に対する国民の共通認識が十分形成されていないと認識しているので、県議会のご意見を十分聞きながら、引き続き全国知事会様々な機会を通じて制度設計等について本県の考えを主張していく。また、これまでも県民の皆様や市町村との意見交換や情報提供に努めてきたところだが、庁内における意識共有も含めて引き続き取組んでまいりたい。


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